さよならのオレンジが明けた

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皆が一日の務めを終える頃あい、さよならのオレンジが明けていることに気づいた。

 

「さよならのオレンジが明けた」。

 

妙な表現になったが、それは、夕方窓から差し込む陽の光を見て、そこに或る「たしかさ」を感じたという生活雑感の一つに過ぎない。そのたしかさは、かすかな感知だった。つまり季節のぶれ・ぶり返しの揺れ動きを出で、一歩超えたことの。

 

そこで明け(・開け・空け)与えられたオレンジは、予期された回復であり、新しい季節の到来あるいは帰還を示していた。うごめき、再開して行く気配も伴って。

 

ようやく還りついた安堵は、新たに出立する期待を持ってもいた。

別れと出会い。終わりと始まり。

この日感じた春は、帰還と出立であった。